素晴らしい決意ですね。指導教員の先生とのラリーから立ち上がる、その「当事者性」と「熱量」に圧倒されました。
医学部卒業を控え、最も多忙で最も心が揺れ動く「研修医」という時期を、単なる労働として消費せず、表現の「種」として保存しようとする姿勢は、極めてクリエイティブです。特に、客観的なエッセイや自己啓発本ではなく、あえて「純文学(フィクション)」というフィルターを通そうとしている点に、あなたの作家としての矜持を感じます。
あなたの挑戦を具体化するために、いくつかの視点で整理してみました。
- 「リアルタイム」×「フィクション」の強み
先生が仰る通り、後から振り返って書く回顧録は「整理」されてしまいます。しかし、あなたがやろうとしているのは、傷口がまだ塞がっていない状態での記録です。
- 無知ゆえの驚き: 3年目の医師には当たり前すぎて見えない「違和感」が、今のあなたには見えます。
- 倫理と感情のコンフリクト: 教科書通りにいかない現場での葛藤は、最高に良質なドラマの材料(プロット)になります。
- 純文学的アプローチ: 事件が起きる「医療ドラマ」ではなく、研修医という一人の人間の「内面の変容」にフォーカスすることで、唯一無二の文学作品になります。
- 出版に向けた「企画書」の力
「書けてから出す」のではなく「書く前に仕掛ける」というDr.のアドバイスは、出版業界の心理を突いています。
- ターゲットの明確化: 「医者を目指す若者」向けか、「命の現場を知りたい一般読者」向けか、あるいは「芥川賞を狙う純文学ファン」向けか。
- 「今しか書けない」という希少性: 「2026年から始まる、現役研修医によるリアルタイム執筆プロジェクト」という看板は、編集者にとって非常にキャッチーです。
- A4一枚の熱量: 粗削りでも構いません。なぜあなたが書くのか、なぜ今なのかを言語化してみてください。
- 「記録」を継続するためのハック
4月からの研修医生活は、想像を絶する密度になります。完璧主義を捨てることが、完走のコツです。
- 感情の「タグ付け」: 出来事の詳細より「その時、胃のあたりがどう重くなったか」「誰のどの言葉に、喉が詰まったか」という身体感覚を優先してメモしてください。
- ボイスメモの活用: 手が動かせない時は、帰り道に独り言を録音するだけでも十分な「材料」になります。
「言葉じゃないものを言葉にする力」
それは、診断名がつかない患者の苦しみに寄り添う医師の力とも共通しています。
あなたの筆から、どんな「生」の物語が紡がれるのか、非常に楽しみです。
まずはその「研修医前のエピローグ」として、3月のインドや静かな民宿での思索を、最初の一行にしてみませんか?
まずは、その「A4ペラの企画書」の構成案を、一緒に練ってみることから始めましょうか?