異様な光景
今日も昼から喫茶店へ。この生活もあと1週間で終わる。店の扉を開け、いつものカウンターの角席に向かう途中、ふと気がかりな光景を目にした。おそらく自分より若い、20歳前後の短髪の女性1人と、70歳前後にみえる男女の老人が2人ずつ、合わせて5人の客が木のテーブル席に座っていた。老人たちは黙々と野菜のサンドイッチを口に運んでは、時々むせ返る。途切れ途切れの会話。その姿を若い女性は見守っていた。ストラップ付きのスマホとカードケースを身につけていることから、おそらく彼女は介護福祉サービスの職員だろう。
そこで異様さを感じたのは、若者と老人の比率である。せいぜい若者1人につき、老人2人が自然だという先入観のせいか、今この目の前の若者1人に老人4人という状況に対して「なんだこれは」という違和感があった。
「PLAN 75」という映画を思い出した。この作品は、75歳以上の高齢者に対して自らの生死の権利を保障し、支援する制度「PLAN 75」の施行に伴う制度の対象者たちや市役所の職員、スタッフの苦悩を描いている。作中の仮想社会では、後期高齢者の死ぬ権利が認められている。「それは果たして権利という形を保っていられるのか?」というのが見どころのひとつなのだが、さてこれからの現実世界はどうなるだろうか?